2001年5月8日号
ダイヤモンド、その聖なる形と輝きに魅せられて
〜世界初、86面体のダイヤカット法開発〜
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首藤 尚丈さん |
| 1947年、青森市生まれ。一級建築士。ディアナサン株式会社代表取締役、TAS一級建築事務所代表取締役。数々の設計コンペティションで入賞しているほか、論文「情報化時代の建築施設群システム」で下出賞を受賞するなど、独自の設計哲学を持つ。また、数学のトポロジー(位相幾何学)研究者としても知られている。著書に「政宗の黄金の城」「ダヴィンチの黄金のピラミッド」など。 問/TEL022-375-0005 URL http://www.dianasun.com E-MAIL dianasun@f8.dion.ne.jp |
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ダイヤモンドといえば、誰でも頭に浮かぶのが、ブリリアントカット。全体が58面体のじょうご型で、光が反射するようにカットされており、理想的なカットとして世界的に知られている。しかし、今回首藤さんが開発した新しいカット法は、ブリリアントカットよりも28面も多い86面体。ブリリアントカットがダイヤに入射した光を直線的に反射して戻すのに対し、この新しいカット法は光が”らせん状“に回転して戻る構造を持ち、その反射角によって、グリーンから紫と、輝く色をコントロールできるという画期的なもの。カット面が増えているので、輝度も2倍近く増している。
「1919年に数学者のトルコフスキーがブリリアントカットの理想形を開発して、それがラウンドブリリアントカットとして現在世界に認められています。それから今まで、新しいカット法に挑んできた人はいると思うけど、カットの基になる数式を出すのはとても複雑で難しく、なかなか実現できなかった。今はコンピュータがあるから、複雑な計算や数式も解析可能。だから高次元幾何学を使って完成できたんですね」。
首藤さんは数学者、トポロジー研究者らしくそう話す。中学の頃から幾何学が好きで、建築家になってからもその研究をずっと続けてきた首藤さんだが、新カット法の開発のきっかけになったのは、レオナルド・ダ・ヴィンチの”ヴィトルヴィズ図“に描かれている、正方形と円形の形だった。
「ヴィトルヴィズ図では、裸体のダ・ヴィンチが正方形と円という正反対の2つの形を背にして立っています。それを見た時、何かすごく惹かれるものを感じたんですよ。この正方形と円形の世界とは一体どういうものかと。で、この形から始まる多様形をいろいろコンピュータで分析していたら、その中からダイヤの形が出て来たんです。その時、かつてダイヤの理想形が代数で考えられたものなら、幾何学でも新しい形ができるんじゃないかと思い、これはやってみるべきだと直感しました」。
それからコンピュータに向かうこと2ヵ月。1998年春、遂に独自の新しいカット理論が完成。特許を申請し、2000年の2月には世界初のカットによるダイヤモンドが実現し、ディアナサン=DIANA SUN(月の女神と太陽のような永遠の母性)と名づけられた。
「ディアナサン・ダイヤモンドは、人間の内面を輝かせるダイヤ。カット、研磨の技術者を探すのは大変でしたが、実物を見た時は本当に感激しました。いずれは仙台でカットや研磨も行うのが夢。ダイヤのカットは環境の良い所で行うのが一番で、環境面で言えば仙台は理想的。きれいな空気、きれいな水、豊かな自然に囲まれた所でカットしたものは輝きが違います」。
また、ダイヤというとすぐに宝石、というふうに考えがちだが、首藤さんはダイヤを医学の面でも役立てられないかと考えている。「緑色の光が細胞組織に何らかの影響を与えることはすでに知られています。2000年12月には新潟大学医学部と共同で、ダイヤとレーザーを使って白血病のガン細胞を死滅させる実験にも成功しました。他にも通信をはじめ、産業分野でのダイヤの需要の可能性は大きいと思いますよ」。夢を語り、表情を輝かせる首藤さん。2001年4月からは一般に販売開始。正方形の中に十字架が現われるアンクカットも人気を呼んでいる。世界初、仙台生まれのディアナサン・ダイヤモンドは大きな可能性を秘め、果てしない輝きと夢に満ちている。
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