2001年4月10日号


1日が24時間じゃ 足りないくらい

藤間 勘そめさん

幼少より日本舞踊を始め、三世藤間勘右衛門(先々代松本幸四郎)より名取師範を許され、門下の育成にあたり現在に至る。仙台生まれの仙台育ち。藤間流藤盛会の役員、日本日舞踊協会宮城県副支部長。
稽古場 仙台市青葉区国分町2・9・15
TEL022・261・6260



第14回勘そめ会舞踊発表会


日  時/●4月29日(日)
     ●第一部/10時30分開演
     ●第二部/15時30分開演
場  所/仙台電力ホール
特別出演/中村吉右衛門
料  金/全席自由 4000円
チケット販売/藤崎、三越、エスパル、森天佑堂

 稽古場に立つと、恐いほど厳しい表情に変わった。手に持った扇子が、生きもののように舞い始める。立姿がとりわけ見事で美しい。
 稽古場には、何点か共演者と撮った舞台姿の写真が飾られている。その顔ぶれは、中村富十郎、中村扇雀といった歌舞伎界でも名だたる人たちばかり。3年ごとに行われている藤間流「勘そめ会」舞踊発表会で演じた時のものだ。4月末の発表会を前に、目下稽古の真っ最中である。
 「今年は、中村吉右衛門丈と共演させていただくんです。「お軽、勘平」を踊るんですが、播磨屋一門の若い役者も加わり、賑やかな舞台となっているんです。東京から藤間豊之助一門、地元からは藤間秀園さんの賛助出演もあるんですよ」。
 共演者との踊りでは、バランスが大切になる。多くの技量の高い相手と共演している勘そめさんは、相手との釣り合いや距離感が抜群だ。
 「勘そめ会」では、邦楽界第一人者の演奏者を揃えて、長唄、清元、竹本、鳴物は国宝の堅田喜三久一門で、生の演奏をする。質の高い日本舞踊を目指す、勘そめさんのこだわりと、お弟子さんの希望でもあるという。
 勘そめさんが日本舞踊を始めたのは6歳の時。
 「昔から6歳の6月6日に習い事を始めるとうまくなるって言われているでしょ。踊りの好きだった父親に連れて行かれ、やっているうちにどんどん好きになって、あっという間に今に至ってます」。
 とはいえ厳しい芸の世界。つらいこともあったという勘そめさん。「やめようと思ったこともありましたが、何も知らない世界で苦労するより、好きな道での苦労の方がいいかなって」いつもそこへ結論は達するという。若い頃の苦労は”言わぬが花“と笑う。
 踊り一色の生活かと思えば、さにあらず。海外旅行が大好きで、アメリカ、カナダ、北欧、ハワイと世界各地を精力的に飛びまわる。健康のためにゴルフも始めて7、8年になるが、とにかく時間を作ってラウンドするように心がけている。歌舞伎、文楽や美術鑑賞のために、毎月のように東京、博多、大阪と出かけて行く。1日が24時間じゃ足りないくらい、”超“エネルギッシュだ。多くの人との出会いも勘そめさんの栄養源になっている。
 真向法という体操も始めて20年。実は宮城県支部の顧問を務めているというから、すごい。玄米食を食べ健康食にも熱心に取り組んでいる。真向法も玄米や健康食も、みんな他人に勧められて始めたものだが、勧めた人の中にはやっていない人も多いとのこと。
 「まだやってるのって笑われちゃうんです。『ミイラになるまで生きてるつもりなの、友だちがいなくなったらつまんないでしょ』って(笑)。それもそうだなって」。
 それにしても肌が艶々して若いこと。「それは光線の関係」と茶目っ気たっぷりの答えが返ってきた。人生、仕事も大事だけど楽しまなくちゃと、パワフルに動き回り、すべて舞台や稽古に生かしている。
 芸どころ仙台の一翼を担う存在として、エネルギッシュに過ごす日々。3年がかりで準備した発表会まで、あと20日あまり。


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